5月31日、各国首脳と国際機関首長らはカーボンニュートラルのための包括的な「緑の回復(Green Recovery)」を約束し、また発展途上国がイニシアティブ(取り組み)に参加できるように共同で努力していくことを促した。
今年のソウルイベントは、2018年にデンマークで開催されたサミットに続いて2回目となる。当初は昨年開催される予定であったが、新型コロナウイルスパンデミックの影響で延期された。今年はパリ協定と韓国のカーボンニュートラル目標を実施する年なので、尚更意義深いイベントであった。
P4Gは、持続可能な開発目標とパリ協定を推進する際の課題について包括的な解決策を模索する多国間イニシアティブである「グリーン成長とグローバル目標2030のためのパートナーシップ」の略だ。韓国は、デンマーク、オランダ、ベトナム、エチオピアと共にこのイニシアチブの創立加盟国である。現在、加盟国は12カ国。
韓国が環境に関する多国間の国際会議を開催したのは今回が初めてだが、今回のイベントに米国、中国、日本、欧州連合のような非加盟国や他の発展途上国、国際機関を招待し、サミットの地位を高めるのに大きく貢献した。
30日の首脳演説セッションでは、ボリス・ジョンソン英国首相、エマニュエルマークロング・フランス大統領、アンジェラ・メルケル・ドイツ首相、李克強中国首相、小泉進次郎・日本環境部長官など60人以上の各国政府高官及び国際機関首長らがビデオ演説を行った。
31日、文大統領が議長を務めた頂上討論セッションでは、14人の各国リーダーがオンラインで議論に参加し、グリーン・リカバリー、カーボン・ニュートラル、官民パートナーシップに対して意見を交わした。
参加者には、米国の気候変動担当特使であるジョン・ケリー氏をはじめメッテ・フレデリクセン・デンマーク首相、プラユット・チャンオチャ・タイ首相、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、国際通貨基金のクリスタリナ・ゲオルギーエヴァ専務理事などが含まれている。
韓国は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するための青写真の一環として、2030年の温室効果ガス削減目標を2017年比24.5%削減することにしている。また文大統領は、11月にスコットランド・グラスゴーで開催される第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で更に上方された2030年の温室効果ガス削減目標を提示することを約束した。そして、2023年開催予定のCOP28を韓国が主催する意向を示した。
頂上討論セッション後には「ソウル宣言」が採択され、「私たちは、新型コロナウイルスとの戦いが国際気候危機対応に重要な教訓を与えていることを再確認し、未来志向の戦略的「緑の回復」を通じてパンデミックを克服すべきであると信じている。 緑の回復の進行レベルによって私たちの経済と社会は再構築される可能性があり、またパリ協定の目標や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた分岐点になるだろう」と明らかにした。
「ソウル宣言」は、パリ協定に基づいて気温上昇を摂氏1.5度に制限し、石炭発電への依存度を減らし、海洋プラスチック問題に対してより効率的に対応して行くなど具体的な約束を盛り込んだ。閉幕式では、コロンビアが次期頂上会議の開催国として発表された。