【ケイティ·バウマン】見えないはずのブラックホールがなぜ見えた?(Part 2)
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地球サイズの望遠鏡
月面にある1個のオレンジを、さらにあのブラックホールを観測するにはどんな大きさの望遠鏡が必要なのでしょうか?まじめに計算してみると、地球と同じ大きさの望遠鏡が必要であることが簡単に分かります。
もし地球サイズの望遠鏡を建設できれば、ブラックホールの「事象の地平面」を示す特別な「光の輪」を見分け始められるのです。この写真は、コンピュータグラフィックほど詳細ではありませんが、これによって初めてブラックホールの周辺の状況を確実に 一目見ることができます。
しかし、ご想像の通り、地球と同じ大きさの一枚の反射鏡で望遠鏡を造ることは不可能です。でも、ミック・ジャガーも歌っているように、「欲しいものがいつも手に入るわけではない。でも、何度もトライすれば必要なものは手にいれられるだろう」。
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事象の地平面望遠鏡(Event Horizon Telescope)国際プロジェクト
世界中の望遠鏡を繋ごうという「事象の地平面望遠鏡」という国際プロジェクトでは、地球サイズの望遠鏡をコンピュータの力で実現し、ブラックホールの「事象の地平面」を捉えられる解像度に達しようとしています。
2017年には、この望遠鏡ネットワークを使って最初のブラックホール写真の撮影を計画しています。この計画では、世界規模で繋いだ望遠鏡を連動させます。原子時計による精密なタイミングで同期させ、各々の観測点では研究者のチームが光を全部捉えて数千兆バイトのデータを収集します。それから、このデータはここマサチューセッツの天文台で処理されます。
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地球、巨大な回転するミラーボール
仕組みをもう少し説明します。私たちの銀河系の中心にあるブラックホールを観測したいなら、有り得ないほど大きい地球サイズの望遠鏡が必要でよね。でも一旦、地球サイズの望遠鏡が造れるとしましょう。地球を巨大な回転するミラーボールだと考えてみましょう。各々の鏡が光を集め、1つにまとめられて1枚の写真となります。
ここでほとんどの鏡は無くしてほんの少しだけ残しましょう。まだこれらの情報をまとめることはできますが、今回は多くの穴があります。この残った鏡は望遠鏡のある観測点を示しています。1枚の写真にするには信じられないほど少ない観測データです。
望遠鏡が設置されている数少ない場所でしか光を集めることはできませんが、地球が自転するので別の観測データを得られます。つまり、ミラーボールが回転すると、鏡は場所を変えるので像の別の部分を観測することができます。開発中の画像処理アルゴリズムによって、ミラーボールの欠けている部分を埋めて、そこに隠されているブラックホールの像を再現します。
もし、地表の全面に望遠鏡を設置できたとして、つまりミラーボールが完璧ならば、この作業は難しくはありません。しかし、私たちが手に入れられるごくわずかな観測データだけで推定されるイメージの数は無限に存在します。そして、そのイメージは全く同じものではありません。