6月1日、三星(サムスン)の湖巌(ホアム)財団(理事長 ソン・ビョンドュ)は、ソウルのホアムアートホールで、2016年度第26回湖巌賞授賞式を開催した。1990年、李健煕(イ・ゴンヒ)三星会長が制定した「ホアム賞」は、科学賞、工学賞、医学賞、芸術賞、社会奉仕賞の5つの部門と国籍や民族を超えて韓国の文化と国家・社会のために大きな協力と貢献をした人に与える特別賞がある。
今年の科学賞受賞者は、量子力学の根幹である量子の交換法則を、量子光学の実験によって証明したイギリスインペリアル・カレッジ・ロンドンの金明植(キム・ミョンシク)先生だ。金博士は、量子物理学の理論的研究と実験的証明の分野をリードする世界的な研究者として、今後人類の未来に大きな影響を与えるべき量子コンピュータや量子暗号などの量子情報科学の分野を先導している。
工学賞受賞者は、韓国初人間型ロボットである「ヒューボ」を純粋な独自技術で開発し、韓国のロボット工学技術を国際水準に引き上げたKAISTのオ・ジュンホ博士だ。オ博士チームが開発したDRC「ヒューボ」は、2015年に米国国防総省傘下の国防高等研究計画局(DARPA)が主催した国際ロボットコンテストで、米国、ドイツ、日本などの先進国の開発チームを破って優勝した。
医学賞では、血液癌の一種であり、リンパ節癌とも呼ばれるリンパ腫を治療するワクチンを開発した米国シティ・オブ・ホープ病院のラリー郭博士が選ばれた。ラリー郭博士が開発したリンパ腫治療ワクチンは、実際に患者を対象に実施した臨床試験で、世界で初めて意味のある治療効果を立証し、新しい癌治療法の開発に大きく貢献することが期待されている。
芸術賞受賞者としては、永遠の現役詩人と呼ばれるファン・ドンギュ先生が選ばれた。満20歳に登壇して以来、60年間旺盛な創作活動を続けてきたファン詩人は、時代を先んじて韓国詩の形態的変化を先導してきた。また、幅広く多様なテーマを詩の中に取り入れ、新しい詩的認識の領域を開拓したという点が高く評価された。
社会奉仕賞受賞者は、家庭崩壊と親の放任など、様々な社会問題によって街に放り出された危機青少年たちを22年間誠心誠意をこめて愛情を投入してきた「野の花青少年世界」のキム・ヒョンス、チョ・スンシル共同代表が選ばれた。夫婦である二人が差し伸べた愛の手によって、家庭と学校から疎外されてさ迷っていた1,000人以上の危機青少年たちが、今や健全な社会の一員として価値ある生き方をしている。
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