【新刊】あなたの隣にいる見知らぬ者が神であり、その人を愛せるか: ASIA NEWS

【新刊】あなたの隣にいる見知らぬ者が神であり、その人を愛せるか

2016年05月02日

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ソウル大宗教学科のペ・チョルヒョン教授が「神の偉大な質問」「人間の偉大な質問」など2冊の本を出版した。ハーバード大学でヘブライ語、アラビア語、ギリシャ語、インド・イラン語などを勉強した古典文献学博士のペ教授は、聖書が宗教の専有物になってはならないと思い、古典学者の目で聖書の原典を読み感じたインスピレーションを共有するために本を執筆したと語る。

彼は現代人がまだ16〜18世紀のルターやカルヴァン、ウェズリーの聖書解釈に執着していると指摘し、今は21世紀にふさわしい新しいレンズが必要だと強調する。そして、イエスは「あなたの隣にいる見知らぬ者が神であり、その人を愛せるか」と問い、自分の敵をも愛することが神の愛であるというシンプル且つ革命的な教えで人類に感動を与えたと力説する。

一方、今日宗教がテロの温床となった背景について、ダーウィンの進化論と聖書批評学が出現したため、20世紀初めから宗教が原理主義で武装し始め、唯一神と信仰、信念を強調して、無条件信じなければ救われないという論理を適用させたためだと説明する。しかし、「自分が信じていることだけが正しいという主張は傲慢であり、無知である。違いを認めることが神の教えである」と述べながら、ISやアルカイダは宗教ではなく、イデオロギーに過ぎないと叱責する。

ペ教授は週に3〜4日間山にこもって暮らしている。そして「私が経験した世界は、多くの世界の一部であり、一つの偏見にすぎないので」、自分の経験に閉じ込められることを拒んで「昨日まで経験した世界を惜しむことなく喜んで捨てるようにして下さい」と毎朝祈っているという。また、「韓国人は不必要に群れずに、孤独を訓練しなければならない」「特にリーダーはスティーブ・ジョブズが1日5時間黙想しながら孤独の中で考える力を鍛えたことを学ばなければならない」と忠告する。

まるでイエスがゲツセマネで黙想した後、思い切って十字架を背負ったように、深い祈りは意味ある行動へ導いてくれる。世間の人々が集団でいたがるのとは違って、自ら孤独な神の山に入ると強調する。

また、このような「黙想」に加え、「思いやり」を偉大な人の条件として取り上げ、オバマ大統領は「私は自分の弟を守る人」と兄弟と家族、進んでは国民への慈悲と思いやりを訴え、大統領として誕生したと語る。創世記第4章で、神はアダムの息子アベルの供え物を顧みたが、カインの供え物を顧みなかった。すると、カインはひどく怒り、アベルを殺した。その時、神が「あなたの弟アベルはどこにいる」と尋ね、カインは「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」と反発した。

ペ教授は「あなたの弟アベルはどこにいる」という神の質問は、隣人への愛と思いやりを問うものであったのであり、ある人が「宗教人なのかどうかは、その香りで分かる。何を信じているのか、肩書きなどは関係ない。他の人から「あなたの近くにいたい」と思われる人であれば、立派な宗教人である。もし近寄って貰いたくないと思われるなら、彼は何でもない」と警告する。

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