【故郷の家】多文化共生のモデル「故郷の家・東京」上棟式: ASIA NEWS

【故郷の家】多文化共生のモデル「故郷の家・東京」上棟式

2016年04月28日

한국어
4月27日、多文化共生のモデル「故郷の家・東京」の上棟式が、江東区塩浜で行われた。「梅干しとキムチのある老人ホーム」と知られる「故郷の家」は現在、大阪(1989)、堺(1994)、神戸(2001)、京都(2009)に開設されており、今年10月17日オープン予定の「故郷の家・東京」は関東初となる。

去る2011年3月、尹基理事長が「在日韓国人老人ホームを作る会」26周年記念東京大会で「故郷の家・東京」構想を発表したときは、地価が高すぎて東京では無理だという反応が支配的だった。ところが、暫くして旧農水省食料研修所の跡地の情報が入り、東京財務事務所と協議を進めた末、50年間約700坪の定期借地契約がまとまった。

鉄筋コンクリート造りの5階建てで、延べ床面積は6734平方㍍。特養ホーム(98人)と老人短期入所(ショートステイ、12人)、介護専用型ケアハウス(軽費老人ホーム、30人)、都市型軽費老人ホーム(8人)を備える。施設の利用者と地域住民が交流しながら文化的な活動をする「地域交流スペース」も設ける予定で、総事業費は約30億円だ。

東京財務事務所の関係者は、「建物ができて運用が始まれば、多文化共生のモデルをめざして柔軟にやりたい」と話している。現在、江東区の高齢者人口に占める外国人の比率は約6％と比較的に高く、施設入所待機者は約2000人にのぼる。利用にあたっての国籍要件はないが、東京都の決まりで区民が優先される見込みだ。

入所候補第1号・慶恵重(85)品川教会名誉牧師(在日大韓基督教会初の女性牧師)

「故郷の家・東京」は、施設利用者と地域住民との多文化共生を図りながら、入所者一人ひとりの個性や生活リズムに応じて暮らしていけるようにサポートするユニットケアシステムを採用している。ユニットケアの特徴である共同生活室にはテーブル・椅子が配置され、利用者の意思を尊重し、身体状況に配慮した上で、なるべく共同生活室で一緒に食事をすることが出来るように支援する方針だ。

アフリカの諺に「早く行きなら一人でも行け、遠く行くならみんなで行こう」とあるが、マッカーサー元帥はかつて、国難の時に「We go together」(韓国と米国は一緒に行こう)と力説したことがある。「共生」とはまさに国境を超越して人類が「一緒に暮らす」という意味だ。このような「We live together」(一緒に暮らそう)精神こそ、恒久的な日韓友好と進んでは人類愛を求める「故郷の家」の目指す理念でもある。

尹理事長は、「韓国人は老人を敬う「孝」思想が世界一だと言われており、日本人は勤勉で、親切で、正直で、配慮する文化が世界最高だと言われています。「故郷の家」の介護サービスを通じて、「孝」の思想を日本の介護現場に伝え、実践することによって二つの国の文化が絶妙に融合されます」とビジョンを明らかにした。

今や、去る30余年間念願してきた夢の木が遂に東京に植えられた。しかし、これから巨木に成長するには、未だ克服すべき課題が少なくないのも事実だ。総事業費約30億円の半分に迫る借入金の返済、介護人材発掘及び採用、留学生たちの介護士資格取得をサポートする支援金など・・。このような必要資金を調達するために、「在日韓国老人ホームを作る会」と「社会福祉法人こころの家族」は今、5億円の募金を呼びかけている。
連絡先⇒社会福祉法人こころの家族

■「故郷の家•東京」竣工記念コンサート■

●イベント名︰光州女性フィルハーモニーオーケストラ日本公演
●日時︰7月23日14時〜
●会場︰サントリーホール・ブルーローズ

この記事へのコメント