【東京国際映画祭2015】 東京グランプリ&最優秀女優賞二冠、世の中を変えた女傑「ニーゼ」

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審査委員長のブライアン・シンガー監督(左)と「ニ^ゼ」のホベルト・ベリネール監督(右)
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10月22日から31日迄10日間、東京六本木ヒルズで開催された第28回東京国際映画祭で、ブラジル映画「ニーゼ」が東京グランプリと最優秀女優賞を受賞し、二冠に輝いた。「ニーゼ」は、1940年代の精神病治療のために、絵画や彫刻を通じた意思疎通、即ち芸術療法を持ち込んだ不屈の女性精神科医師ニーゼという人物の実話である。

審査委員長を務めた「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガー監督は「映画はファンタジーだろうと実話だろうと見た観客が本当だと思うことがとても大事。この作品には必要な要素が全てが含まれていた」「昔自分自身も身体障害者や精神病の子供たちを乗せたバスドライバーをした経験があり、「ニーゼ」が満場一致でグランプリに決まったことはうれしかった」と感慨深げにコメントした。

「ニーゼ」は、何度も何度も脚本が書き変えられ、企画から完成まで13年もかかった。2011年に脚本ができ上がる迄11年間、ホベルト・ベリネール監督は他の映画を5本作ったという。それでも彼が「ニーゼ」を諦めなかった理由は、「「ニーゼは偉大な革命家ですが、彼女を知っている人は少ない。だからわたしは彼女を世界に紹介したかった」と制作動機を明らかにした。

2012年に本格的に撮影を開始する前の約2カ月間、全スタッフとキャストはロケ地の病棟で寝泊まりし、精神疾患で入院していた患者らと寝食を共にした。彼らと一緒に過ごしながら、リハーサルをする中で、患者たちの行動を観察するすることが出来た。主要な患者役を演じたのはプロの俳優だったが、実際の患者も映画の中に登場したり、スタッフとしても参加した。

(あらすじ)1944年、精神科医のニーゼは暴れる患者を人間として扱わない精神病院に着任する。ここで彼女は男性中心社会の厚い壁にぶつかる。病院の医師たちが誇らしげに発表する治療法、アイスピックによって脳の一部を取り除くロボトミー手術、患者にショックを与えることで精神疾患を完治させるという電気治療等、患者を人とも思わぬ方法の数々にニーゼは衝撃を受ける。自分の目の前で電気を流され泡を吹きながら気絶する患者の姿を目の当たりにした彼女は「この状況を絶対に変えなければならない」と決意する。

既存の治療体系に迎合しようとしない彼女に対し、医師たちは敵意を向けることも厭わない。病院に赴任してすぐニーゼは誰にも顧みられない作業療法部へと送られ、島流し同然の扱いを受けることとなる。何もかもが機能していないこの場所で、それでも彼女は患者たちを救おうと奔走するのだが、その思いは彼らに届くことはなく、ニーゼは傷つき続ける。

そんなある日、彼女はアウリールという青年と出逢い、この病室をアトリエにしないかという提案を受ける。芸術は患者たちの心を治すのか、ニーゼはこの可能性に賭けようと思いを固める。誰かに自分の思いを伝える術を忘れてしまった患者たちは、ニーゼと絵筆によって言葉を取り戻していく。だが、現実は厳しく、ニーゼはいわれなき誹謗・中傷を受け、殺害をほのめかす脅迫状が届いたこともあった。しかし、彼女は決してあきらめず全くぶれることがなく、最後の手段としてメディアに訴える。ニーゼは患者たちによる美術展を開くことで世論を動かし、やがて世の中を変える。DSC_0080~2.jpg
審査委員長「X-MEN」シリーズののブライアン・シンガー監督(右)と一緒に
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ホベルト・ベリネール監督(右)と一緒に
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