
安部首相は、去る17日にカイロで中東政策について演説を行い、2年前に約束した22億ドルに加え、新たに25億ドル相当の中東支援を約束した。又、「中庸が最善」と訴えながら、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」対策に合計で2億ドルの拠出を表明した。
これに対して「イスラム国」は、20日の声明で「日本が「十字軍」(キリスト教中心の欧米諸国)に加わろうとしている」と強い反発を示した。このように、今回の「イスラム国家」の日本人人質劇の背景には、キリスト教とイスラム教の宗派間の対立が存在するという事実を知ることができる。
これらの宗派間対立を引き起こす根本的な原因を突き止めるために、1400余年間持続しているイスラム教のスンニ派とシーア派の葛藤を例に挙げて見よう。イスラム諸国では、スンニ派とシーア派のどちらかが少数派になる場合がある。問題は正に、そのときに権力配分、少数派に対する処遇、そして富の配分に公平性が欠けるいる場合、対立を誘発させる火種を提供することになる。
その結果、イラクでは1991年の湾岸戦争以来10年の間、スンニ派だったサダム·フセインが20万人に及ぶシーア派を処刑したという。1979年、サウジアラビアでもシーア派は弾圧を受けた。1975年から15年間続いたレバノン内戦中には、多数派だったシーア派が少数派のスンニ派、キリスト教マロン派、所謂異端分派のドルーズ派を虐殺した。最近シーア派が政権を握ったアフガニスタンでは宗派間の流血事態が後を絶たず、パキスタンでは、シーア派の「アシュラの日」に必ず宗派間の流血事態が発生する。
それでは、このような悪循環から抜けられない宗派間の紛争を終結させる方法はあるのだろうか?人間の一言であっても、聴く人各々全く異なる判断をするのと同じく、宗教においても受け入れ方や仕え方によって、宗派が分かれることはあり得る。
したがって、「違う」という理由だけで、権力や富の分配が一方的に片寄らないように「公平無私の原則」に立つことによって、初めて千年以上続いた葛藤を解決する道が開かれる。その模範事例として、最近イラクの政権を握ったシーア派は、「自分の宗派だけを重んじ、他の宗派を排斥するという白黒論理ではなく、ただ一緒に良く暮らしたい」とスンニ派に対して報復弾圧しないという。
進んでは、政府次元で執権宗派が異なる国家間の学術交流と民間交流をもっと積極的に推進することによって、スンニ派とシーア派のみならず、イスラム教とキリスト教は「私」と「他者」が共生する「私たちの共同体」へと発展することになるだろう。
アジアニュース代表 / セ韓日報東京支社長 金金山 記者

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