ワンコリアフェスティバルは、「在日コリアンは、祖国南北、海外コリアンのパイプ役として統一の実現に貢献するとともに、『アジア市民』創出のための『アジア共同体』(東アジア共同体)を目指す」というビジョンを掲げ、このビジョンを音楽や芸術を中心とする文化を通じて訴えてきました。
今回のワンコリアフェスティバルは、テーマとして「在日コリアン文化ルネッサンスが開く東アジアの平和」を掲げ、新しい試みに挑戦します。
新しい挑戦とは、在日の文化を代表する音楽、舞踊、映画、演劇などのトップランナーを招待し、総合的文化イベントとして、また、昨年取得した公益財団法人にふさわしいイベントとして、一大祭典を開き、とくに祖国と日本に、在日コリアンの存在意義と役割を、溢れる文化的エネルギーで示そうというものです。それはまた在日コリアン自ら、とくに若者にも、あらたな自信と誇りを与えるものと確信しています。
ご承知のように、戦後、在日コリアンは、日本と祖国南北にまたがって独自の文化を形成してきました。多くの有名なスターを生み出してきたスポーツ、大衆歌謡、映画、テレビ界をはじめ、演劇、音楽、文学、学術などの分野で、目覚しい活躍をしています。
にもかかわらず、日本と韓国における在日コリアンの文化的存在感は、依然として低いといわざるをえません。その要因は、せっかくの個々人の努力による活躍も、多くがルーツを隠してきたことはさておいても、在日コリアン自身が自らの文化的特性を深く自覚しておらず、自己とコリア全体を結び付けることができないため、コリア全体の評価とつながっていないからだといます。
現在のグローバル社会では、文化もグローバル化が求められます。とくにコミュニケーション能力が重要であり、それは単なる語学力ではなく、相手の文化に対する理解力です。人、物、金、情報が移動する世界で、これからは国力も、政治力、経済力、軍事力に劣らず、文化の影響力が益々重要になっていきます。
在日コリアンは、日本の文化の影響を受けざるをえませんでしたが、同時に日本の排他的な文化的土壌の中で揉まれてきたために、一般的に日本人よりバイタリティーがあり、一方で日本の優れた文化の影響も受けることによって、日本人にはない表現が滲み出て、それが日本人を魅了してきたのも事実だと思います。
在日コリアンの文化は、意識するかどうかに関わらず、国境を超え、かつ跨ぐマージナル(境界)性と多文化性を孕んでいます。それは、在日コリアンが持つかけがえのないコミュニケーション能力の土台であり、祖国南北にも、日本にも弱いものです。したがって、在日コリアンがそれを、芸術的、学術的な表現として磨き、昇華するなら、日本のみならず、祖国ひいては世界の人を魅了する可能性があるでしょう。それがコリア全体と結びつくことによって、コリアのより多様な魅力とイメージを創造することに貢献するでしょう。
それは、日本の多文化共生社会の形成にも、祖国の南北統一にも、東アジアの交流、協力、平和にも寄与することができるでしょう。
今回のワンコリアフェスティバルは、その可能性を切り開く先駆的なモデル事業として、とくに以下の3つの企画を中心に、その具体的な実例を創造しょうと考えています。映画は、昨年韓国で上映され、300万人以上が観た「ハナ ~奇跡の46日間~」(韓国題「KOREA」)の日本上映の応援であり、演劇は、新宿梁山泊の「百年―風の仲間たち」の公演の招請、さらには、元金剛山歌劇団のアーティストを中心とする日本人アーティストとのコラボレーションスライブ「風・パラム伝説」公演との提携です。
「ハナ ~奇跡の46日間~」は、映画プロデューサー李鳳宇氏が日本での配給元となっていますが、これは、日本で配給の目処が立たない中で、当財団が彼に要請して実現したものです。彼に要請した理由は、彼が「シュリ」「JSA」など韓国の優れた映画を日本に紹介することによって、「韓流」の先駆けとなり、「月はどっちに出ている」「パッチギ!」などで在日コリアンの存在を日本社会に知らしめ、「のど自慢」「フラガール」などの映画もヒットさせるなど、まさに在日ならではの役割を果たしており、マージナル性と多文化性を体現しているからです。
この「ハナ ~奇跡の46日間~」は、1991年初めて南北の統一チーム「KOREA」が荻村伊智郎・国際卓球連盟会長(当時)の尽力により日本で実現し、女子チームが見事団体優勝し、在日コリアンが南北の壁を超えて単一応援団として応援した感動の物語です。いま日本で、しかも韓日、朝日関係が悪化している中で、これほど在日コリアンが上映する意義のある映画もないでしょう。
新宿梁山泊の「百年―風の仲間たち」は、在日コリアンの日本における100年近い苦難の歴史を、趙博氏の歌「百年節」をモチーフに、趙博氏自身が戯曲にし、新宿梁山泊の代表金守珍が演出する芝居です。これは日本、韓国で上演されたばかりでなく、韓国では、韓国の俳優による公演と日本人と在日コリアンの俳優による公演が、それぞれ大きな反響を呼び、在日コリアンの歴史と生活を韓国に知らしめました。
この「百年―風の仲間たち」は、ワンコリアフェスティバル開催の直前に、同じ大阪城・太陽の広場で上演されますが、とくに今回の公演は、テント劇団である新宿梁山泊本来のテント公演で行います。テント芝居は、実は日本にしかない芝居形式です。新宿梁山泊は、日本独自の文化であるテント芝居を受け継ぎ、日本の俳優たちとともに在日コリアンのテーマを直接、間接に込めて描いた演劇で国際的に高い評価を受けています。これもまた在日ならではの役割を果たしており、マージナル性と多文化性を体現しているといえるでしょう。
「風・パラム伝説」公演も、新宿梁山泊のテントを使って公演するユニークな企画であり、今回のテーマにもっともふさわしい内容です。金剛山歌劇団出身のアーティストでありながら、韓国でも伝統芸術の先生になるなど、韓国、北朝鮮、日本をまたいで、さらには世界で活躍しており、文字通りマージナル性と多文化性を兼ね備えています。
このよう今回のワンコリアフェスティバルは、音楽、舞踊のみならず、この映画、演劇を取り入れた一大祭典になるよう企画を準備致しております。また、韓国からも各界各層の団体、有志が来られますが、在日コリアンの存在意義や役割を、あふれる文化的エネルギーで伝えられるように、全力で取り組んでまいりますのでよろしくお願いします。
2013年9月4日
公益財団法人ワンコリアフェスティバル代表理事 鄭甲寿
公益財団法人ワンコリアフェスティバル代表理事 鄭甲寿

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