【福島原発】東電、汚染水の海への流出初めて認める

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The Kyunghyang Shinmun 2013-07-23
東京電力が、2011年日本大地震後の原発事故によって発生した、汚染された地下水が海に流出していると初めて認めた。

東電原子力・立地本部の尾野昌之本部長代理は、22日の記者会見で、「原発の地下水が海に流出しているとみられる」とし、「汚染物質を外に出さない努力をしてきた。今回の状況を重く受け止めている。大変ご心配をかけて申し訳ない」と謝罪したとNHKが報道した。

東電は、去る一月から原発井戸の地下水位と海水の高さ、降雨量などを分析した。その結果、井戸の地下水位が潮の満ち引きと連動して上下しており、「汚染水を含む地下水と海水が行き来している」と分析、流出を認めた。取水口付近は防波堤や水中カーテンで囲われており、汚染はその内側にとどまるとみて、海への流出の総量を追加調査する予定である。

今年5月、原子力規制委員会は、岸壁に近い井戸の地下水と近くの海水から高濃度の放射性物質が検出され、汚染水が地下水と混じり合って「海への流出が強く疑われる」と指摘した。しかし、1号機の取水口近くの海水で放射性物質の三重水素(トリチウム)の濃度が、今月3日に1リットルあたり2300ベクレルを検出(法定許容限度は同6万ベクレル)、「海への流出を示すデータがない」、と東電は海への流出を認めていなかった。

また東京電力は、今月初めに福島原発の地下水サンプルからセシウム-134が数日の間に正常値の110倍以上に増加して癌を誘発する可能性があると明らかにした。しかし、正確な原因を把握できず、コンクリートと鋼鉄版に囲まれているため、地下水の汚染は原発付近に限られると主張した。

東京電力福島第一安定化センター・高橋たけし所長は、この日の夜福島原発の現場を訪問、関係者達に謝罪した。この地域の漁民たちは、「汚染水の海への流出はない」と主張した既存の立場を完全にひっくり返した この日の発表に衝撃を受けたようだ。

野崎哲・福島漁業協同組合組合長は、NHKとのインタビューで「非常にショックだ」とし、「東京電力のこの日の説明は、当初の説明とは全く違う」と憂慮の声を高めた。

東京電力関係者は、21日行われた参院選直後の汚染水の流出発表に政治的な配慮があったのかという質問に対して、「全くなかった」と答えた。

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